夜  話  

「『重なる想いに、つい招いてしまったが、そなたには人として全うしなければならない命がある。』
切ない表情を浮かべながら、そう告げられた女神さまの言葉に僕は反論なんて出来なかったよ。
それを告げるあの方の心の痛みは、言葉なんかを介さずとも僕の中に伝わってきていたからね。」


少し目を伏せて浮かんだ表情を俺から隠したカラは、でもね、と言葉を続けた。


「思い出してしまった僕にとって、地上の暮らしは砂を噛むような日々だったよ。
見上げる夜空にだけ安息を覚えることが出来たんだ。」