夜  話  

「俺の呪縛から逃げられるなんて、よほど図太い神経の持ち主か、鈍感な奴だけだからな。」


ふふん、と鼻をならし、意地悪な事を言う彼に、流石にわたしも、腹が立ちました。


「わたしを、からかう為にそこに居るのなら、帰ってもらえるかしら。
あなたの月に。」


わたしがそう言った途端、彼の表情が変わりました。


「…っ!……そう、か。」


瞬間、彼は激昂したように見えました。


しかし、すぐに、何かがふに落ちたかのように、頷き、そうして、ゆっくりと顔を上げて、わたしを見ました。