夜  話  

そう言った俺に、カラも頷いた。


「変に面倒な答えを言わなくても、『人間』だよって言えば良かったんだよね。ゴメンね。
………でも僕、さっきこの世界に連れてきてもらって、何もかもがなんだか懐かしく感じるのと、何を見ても思い出せない記憶の奥底で何かが痛むのとで、なんだかちょっと混乱しはじめていたんだ。
どうして、初めての場所でこんなにも苦しくなるぐらいに切ない想いを僕は抱えているんだろうって。」


そう言いながら、自分の胸を押さえるカラは、見かけ通りの子供の姿じゃなくて、苦しい恋に囚われている青年の様だった。