夜  話  

あの人の事を脳裏に浮かべながら答えたわたしの言葉に、首を傾げながらも皎はふうん、と頷きました。


「あいつはどうだったんだろうな。
弱い奴ではないはずなんだけどな。」


そう言いながらわたしを見る皎の瞳に揺れる感情の揺らぎのような光に、わたしは理由もわからぬままに惹き付けられました。


「その人は、貴方にとって大事な人だったの?」


揺らぐ感情をわたしに見せてしまうぐらいに。


あの人を思い出しながらも、皎に瞳も心も奪われている自分の事には気付かないままに、わたしはそんな事を思っていたのでした。