夜  話  

「ふん。……‥ならば、俺も答えよう。」


わたしの名前を、口の中で呟いた彼は、そう言いながらわたしを射るように見ました。


その鋭い瞳の力に、わたしはその場に縫い止められたように、立ちつくしてしまい、まばたきも、ままならなくなったのです。


「俺の名は皎(コウ)。白く交わると書く。」


その名前を耳にした時、わたしの頭の中に、こうこうと平原を照らしだす大きな月のイメージが湧きました。


「コ……ウ…?」


なぜか凍り付いたように、動かないわたしの体は、それでも、とぎれとぎれの声を発してくれました。