ポケットの恋

「意味わからん!喧嘩うってんのあんた」
真実はさらに古谷を睨みつけた。「真実ちゃん、それ以上睨むと目玉飛び出るよ」
「…キモッ!なまはげ!」
「うん。だからやめり」
「あんたが言うか、それを!!あんたがしょうもないこと言うからでしょ。目玉飛び出たら責任とってよ!」
「あ、良いね。責任とってよって。深い絆感じる」
その言葉に真実はあんぐりと口を開けた。
「ありゃ、まみまみ今度は顎はずれそうよ?」
「ぎゃあぉぁぁ!!あんたまじキモい!本当にキモい!う゛ーあ゛ー!半径3メートル以内に来ないで!!」
真実はぶらんこに座ったままじりじりと後ろに下がっていく。
古谷は当然のようにその間を詰めて来た。
「こ…来ないでよっ…」
「なんで?俺は真実のいる所ならどこにでも行くよ?」
真実は泣きそうな顔になって叫んだ。
「いやあぁぁあんたきらい!!!」



「冷蔵庫のもの使ってもいいですか?」
キッチンの方から、幸日に呼び掛けられる。
「あ…うん」
幸日の手前、なんとか恰好つけていたいと思いながらも、南部の意識は朦朧としてきた。
幸日が何を聞いてきたかもよくわかっていない。
トントンと小気味のいい音を聞きながら、南部の意識はゆっくりと薄れて行った。