お願い、誰か。
幸日がそう叫ぼうとするのと、男が幸日の口元にガムテープを貼るのは同時だった。
先程からずっと走り続けているのにも関わらず、幸日と行き会えない事に、南部は心の中で悪態をついた。
すでに喉の奥では血のような味が広がって、声を出すのも辛くなっている。
南部が望みを託しているのは、駅前で貰ったこの辺りの地図だけだ。
蓮池病院から幸日の家まで、帰るルートは何本もある。
ただもし、幸日が少しでもはやく家に帰りたいと思っているのなら、必ず通るであろう路地があった。
近道は何本もある。
だが必ずここは通るはずだ。
そして最悪の場合として、ストーカーが幸日を襲うなら、辺りに家がないここにちがいないことも折り込んで。
荒い息遣いのままその路地に差し掛かって、南部は思わず足を止めた。
明らかに幸日のものと思えるバッグから飛び出した荷物が、大きく散乱していた。
心臓が嫌な音を立てる。
ゆっくりと辺りを見回す。
そうして目に入った光景に、頭が真っ白になった。
幸日がそう叫ぼうとするのと、男が幸日の口元にガムテープを貼るのは同時だった。
先程からずっと走り続けているのにも関わらず、幸日と行き会えない事に、南部は心の中で悪態をついた。
すでに喉の奥では血のような味が広がって、声を出すのも辛くなっている。
南部が望みを託しているのは、駅前で貰ったこの辺りの地図だけだ。
蓮池病院から幸日の家まで、帰るルートは何本もある。
ただもし、幸日が少しでもはやく家に帰りたいと思っているのなら、必ず通るであろう路地があった。
近道は何本もある。
だが必ずここは通るはずだ。
そして最悪の場合として、ストーカーが幸日を襲うなら、辺りに家がないここにちがいないことも折り込んで。
荒い息遣いのままその路地に差し掛かって、南部は思わず足を止めた。
明らかに幸日のものと思えるバッグから飛び出した荷物が、大きく散乱していた。
心臓が嫌な音を立てる。
ゆっくりと辺りを見回す。
そうして目に入った光景に、頭が真っ白になった。
