ポケットの恋

何をするにしろ、幸日の安全を確保してからでないと動けない。
「どっち優先したらいいかわかんねぇ…」
ぼそりとつぶやいた声を、明日美は耳聡く拾った。
「ストーカーの子?」
「…知ってるんですか」
「詳しくは知らないわよ。ただ秋田さん、時々口にしてたし…それに、あなた達もここでよく会議してたからね、聞こえちゃった。ごめんね」
「あぁ、そっか」
店内に慣れている彼女なら、聞こえているはずだよな、と妙に納得する。