ポケットの恋

「そういえば、あの後どうなったの?」
どんどん自虐的になっていくのを止めるためにも、口を開いた。
「あ…あのあとは、その…」
どもりがちにいいながら、幸日が心なしか赤くなった。
「え…」
思わずその横顔をじっと見つめる。こっちを向いた幸日と真正面から目が合った。
幸日はわぁあと声を上げ、困ったように頬を押さえる。
その頬を大した意図があるでもなくこすりながら、ようやく続きを吐き出した。
「雅也君に、よし君がちょっとなんか言って、よし君に雅也君がちょっとなんか言って、でよし君がお会計してくれて…帰りました!」
えっと、と南部が言い淀む。
「なんか、の部分が知りたいんだけど」
幸日の、静まりはじめた頬が、またかぁっと熱くなった。
「だ…だから、雅也君があんまり失礼なこというから、よし君ががつっと…」
南部が何か言う前に、幸日はあぁ!と大声を上げた。