「ごめんね。俺が聞いていい立場じゃないとは思ったんだけど」
マンションの階段を下りながら、南部は言い訳のように付け足した。
幸日の返事ももらえていないような立場で、あんなに焦って聞くのは検討違いで、あんなに露骨な嫉妬をするのも検討違いだと思う。返事のお預けをくらっている期間からして、諦めるのが常套な頃合いだ。
そんなことないですよ、と微笑みながら首を振る幸日を見ながら、南部は心の中でため息をついた。
原田に会った日、最後に幸日の側まで行ったのは、幸日の近くにいた原田よりも、自分の方が背が高いというわけのわからない主張も含まれていたのは、今や羞恥以外のなにものでもない。
自分はそこしか張り合える部分がないのかと、帰りながら落ち込んだのを覚えている。
ただ、無償に気に障ってしまった。
原田が自分より幸日と親しげであることが。
原田が幸日を呼び捨てにしていることが。
自制が効かないなんて、我ながら幼稚過ぎる。
マンションの階段を下りながら、南部は言い訳のように付け足した。
幸日の返事ももらえていないような立場で、あんなに焦って聞くのは検討違いで、あんなに露骨な嫉妬をするのも検討違いだと思う。返事のお預けをくらっている期間からして、諦めるのが常套な頃合いだ。
そんなことないですよ、と微笑みながら首を振る幸日を見ながら、南部は心の中でため息をついた。
原田に会った日、最後に幸日の側まで行ったのは、幸日の近くにいた原田よりも、自分の方が背が高いというわけのわからない主張も含まれていたのは、今や羞恥以外のなにものでもない。
自分はそこしか張り合える部分がないのかと、帰りながら落ち込んだのを覚えている。
ただ、無償に気に障ってしまった。
原田が自分より幸日と親しげであることが。
原田が幸日を呼び捨てにしていることが。
自制が効かないなんて、我ながら幼稚過ぎる。
