ポケットの恋

何言ってんだかと真実が呆れたように見送った。
当然、その場も帰る雰囲気になる。
明日美が真実に声をかけたのを合図に、古谷が伝票を手に取った。
「あ…お金」
財布をとりだそうとした幸日は当然のように制された。
「大丈夫。あいつ当然おごるために千円札置いてったんだから。俺のは自分で払うから、千円札あれば足りるしね」
「でも…」
「いいのいいの、かっこつけさせてやってよ。南部基本優しいけど、出てったのは苛立ったのとちょっと嫉妬したからでしょ。今頃格好悪いことしたってなげいてるから」
散々渋った後に、ようやく幸日と真実は頷いた。
原田の責任を少し感じていたからでもある。
古谷が支払いを済ませた後、真実はそのままバイトに入り、幸日は古谷と一緒に店を後にした。