ポケットの恋

話している内に教授が入ってくる。真実が思い切り顔をしかめた。
「こないだ夜遅く出たのって、あいつのレポートのせいなんだよね?」
問われて、硬い表情で頷く。
「殺してやりたい…」
「わ…わあ真実ちゃんっ!」
隣で物騒な言葉を吐く真実を小声で諌めながら、気恥ずかしくなる。『心配してくれてありがとう。』最近何度と無く頭を過ぎる言葉が口の先まで出かかった。
口にしなかったのは教授に注意されたからだ。
真実と二人で肩を竦めて、ようやく正面を向いた。