ポケットの恋

「意味わかんないし…」
口に出したのは、ただの強がりだ。
一人暮らしが、簡単に引っ越しなんか出来るわけない。
だいたい、一週間もしないうちに見つかって、お金を無駄遣いするだけだ。
ぐるぐる考えている内に、気付けば泣いていた。
嫌だ。怖い。
一人きりの部屋は本当に怖い。
でも真実にも南部にも古谷にも、この恐怖は伝えられないし伝えたくない。
皆は優しいから心配してくれて、結局迷惑をかける。
三人のお荷物になるのは嫌だった。
すっと瞼が落ちて来る。
最近の夢は、ひたすら誰かに追われることに終始した。
寝ても覚めても、逃げられない。ただ、怖かった。