はち×みつ【短】


翌朝、言われた通りの髪型で勇気を出して登校した。

ザワッ―…空気が静まり、視線が集まる。


眼鏡のナイあたしは、うつむくばかり。



『え?吉沢、さん?』



『……おはよう』



『あ、うん』



戸惑うみんなに、恥ずかしくなってきた頃だった。



『ふぅん?眼鏡ナイほうがイイじゃん』



そんな声に、顔を上げると。
クラスの男子が立っていた。



『あ…ありがと』



『なんか近寄りやすくなったし。前なんて…』



(よく話す人だなあ…)



『ヒューッ、前川っ。まさか吉沢に告白かよっ』



『うっせーなっ』



『あの…もういいよ…』



『あ、なんか悪いな。俺のせいで』



『そうじゃ…』



(やっぱりあたし
恥ずかしい…)