『お前を綺麗にしてやるよ』 (え――…?) 『だから約束しろ。戻らないって』 『あ……』 『したら返してやるよ?』 ポケットからのぞいた、あたしの眼鏡。 (捨てるフリ―…?) 『わ、わかったわよっ』 タバコに火をつける先輩。 『だから返し…』 『だーーめ。』 フッ、と笑った。 『お前は化けるよ』 そう言うとまた、髪をほどいた。 ゆっくりと頭に落とされるキスは優しくて。 『せんぱ…』 何も、考えられなくなっていた。