『せ…先輩っ…』 『――ハナ?』 クルンと巻かれた髪の毛。 バサバサについたまつ毛。 整った眉に、ぷるんとしたリップ。 清楚なワンピースと、高いヒール。 『助けてぇぇっ…』 『―…えっ、ああ』 『あー、マコト。見とれてんでしょー?』 『んなわけないっスよ』 『んもうっ。ふふっ』 (先輩…?) 『帰るぞ。ハナ』 『うぁっハイ』 ドアを出る瞬間、酔っ払いの女性が、ガンバレって合図をした。 (え…あたし?) 『――はぁっ…』 大きなため息をついた先輩が、あたしをじっと見る。