『――ハイ。完成』 散らばったメイク道具。 『どう?』 (うそでしょ―…) 『ふふっ』 (コレが、あたし―…?) 『プロ目指してんだってさ』 聞こえてきた、先輩の声。 振り返るとびしっとスーツを着込んでいた。 『先輩…そのカッコ』 『俺これからバイトだから。そのお姉さんたちと遊んでな』 『えっ…待って…』 (置いてくなーっ…) 『カワイ子ちゃん♪お着替えしましょうか』 『ひぃぃっ…』 それから数時間、あたしは着せ替え人形。 『お疲れっ…ス…』