私ね、あの人を探してるの。

恐い顔して、笑ってる顔なんてたまに見ることができるだけ。

でもね、手は温かいんだよ。
優しく撫でてくれたんだ。


優しい目をして、私を撫でてくれた。


…だけど、あの人は突然…家に帰って来なくなった。


何日も何日も。
玄関先で私は座って待ってた。

ある日、知らない人が入ってきた。


私は、恐くなって開いた扉の隙間から外へと出て行った。


そして、近所のともだち…猫にあの人はどこにいるか聞いては走ってを繰り返していた。