瑞貴はまたうつむいた。
「けど・・・・それを全部ひっくるめてのお前を。今のお前を、ずっと待ってる人がいるとしたら・・・・」
そう言葉を切ってから、瑞貴はゆっくりと背を向けた。
「かなうわけ・・・ねーんだよ。最初からかなうわけなんてない・・・・果歩が見てるのは、今からのお前の姿だって、わかったから」
遠ざかる瑞貴の後ろ姿をぼんやりと見送りながら、俺は何回も同じ言葉を頭の中で繰り返していた。
これからの・・・・俺の姿?
果歩。
もし、想いがかなうなら、
こんな俺でも、
こんな俺でも、これからの未来を。
夢見ても、いいの?
今の彼女に会いたいと・・・願ってもいいというの?

