みずいろ


「俺は・・・それでも後悔してない。ひきずってない、って言ったらまだウソになるけどな・・・・でも、今度こそふんぎりがついたから・・・・前に進んだことは後悔してないよ」



「・・・・」



「けど、もしお前がそのことで逃げ出したんだとしたら、すげー・・・・バカだと思うし、情けない」



言葉が出ない。


口を開くけど、からからの息が唇を乾かしていくだけ。



「なぁ・・・ユウ。人って、時間って、前に進んでいくんだよ。目を背けてもそれは変わりない。思い出を過去にしていく勇気がほんのちょっといるだけなんだよ」



瑞貴が言う言葉が、ひとつひとつ胸に響く。



「お前がひと時なくした過去も。そしてお前がその時感じて生きてきた過去も。否定なんて絶対出来ないし、逃げることなんて出来ないよ。けど・・・・・」