「果歩ちゃん!?」 俺の背中からハシゴが取り除けられると、姉ちゃんが人をかきわけ飛び込んできた。 目を閉じたままの果歩は・・・・ほんの少しだけだけど、 ほんの少しだけど、笑ってくれたような気がして、俺はなぜか涙が止まらなかった。 果歩・・・・・・大橋さん。 果歩・・・・・ 姉ちゃんに付き添われ果歩が運ばれてから、額の傷を抑えてくれるスタッフの人たちの中で、俺はぼんやりと床にすわりこんだままうつろに視線をさまよわせた。 涙が・・・・止まらないんだ。