ガシャーン!!
という派手な音と共に、ガッ、と背中に鈍い衝撃を受けた。
熱い電気が体中を走る。
「キャー!」
遠くで誰かの叫び声が聞こえた。
しかも、何人も。
衝撃を受けた背中より、割れるように痛む頭は・・・・・・
こめかみを流れる感触にゆっくりと目を開いた。
「カホ・・・・」
言葉にもならない。
つぶやいた彼女の名前は、血のにおいに消えた。
果歩。
果歩。
俺の、
俺のなくした過去は、全部キミだったんだ。
求めた時間は、全部・・・・キミだったんだね。
俺の腕の中で目を閉じる彼女の頬に、涙が一粒落ちた。

