俺は・・・・倒れながら左手にこれを握り締めてたそうで・・・そのキラッ、と光った光が助けて!と叫んでるように見えた、って。
声をかけられて、俺が何かを何回かつぶやいていたけど、それは残念ながら聞き取ることが出来なかった、ということ。
「それじゃ、お元気で」
そう言って病室を出て行く男性を深く礼をして見送ってから、俺は手のひらの中をまじまじと見つめた。
シルバーリング。
真ん中に小さな水色の石がはまってる。
大きさから言うと・・・・俺のじゃないことは確かで。
中に、なんか彫ってある?
かざして、目を細めると・・・・
『To Forever 2.26』
「トゥー フォーエバー 2 26?」
2 26?
2月26日?
それはあの事故の日そのものだった。

