「よし!」

手ぶらで葵の施設に向かう。
葵が入っている施設は
ここから少し離れている、町。


この村の田舎よりも
お店やコンビニがちょこちょこある。

一年ずっと闇しか見ていなかったから
外の光がすごく眩しく感じた。
そして、
当たり前のことが幸せに感じる。


「葵いますか?」

「熊本葵ちゃんですね」



50歳くらいの優しそうなおばさんが
笑顔で迎えてくれた。

「葵ちゃん。
 お姉ちゃんが迎えに来たわよ」