その頃のよしきは、かほの方から嫌いになっていくように
しむけていたのかもしれない……。
そうとしか考えられない程、態度が急変していた。
よしきの心の中の迷いや不安など、考える余裕もないままに
ただ相手を責めるだけになっていた。
よしきが最後の電話で言った言葉が、頭を離れない…
――価値観が違う――
「だったら、歩み寄る努力をお互いしようよ」
と言うかほに
「僕は歩み寄るつもりはないよ」
よしきは冷たく言った…
かほには泣くこと以外すべがなかった。
来る日も来る日も
ただ…
ただ泣き続けた。
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