それからの二人は、何ごともなかったかのように過ごしていた。



そんな日がずっと続くと思っていた・・・




しかし、次第にケンカが増えていくようになった。

何かにつけて、意見が食い違い

お互いの主張をぶつけ合うようになっていた。


よしきの態度が明らかに変化していることを

認めざるを得ない情況もいくつか感じていた。



例えば、二人でビデオを見ていても

よしきはマナーモードにした携帯が光るたびに

メールを返す。



着信があると、外に出てったきり

しばらく戻ってこなかったこともあった。


《よしきが見ようって言ったくせに…》

部屋に一人残されたかほは

ビデオに集中できなかった。





そんなことが続いたある日…

電話口でよしきの態度を責めたかほに


「もう、ウザい!別れよう…」

よしきは唐突にそう告げた。


嫌がり泣き叫ぶかほを無視し


「じゃあね…」


冷たく一言そう言うと

よしきは電話を一方的に切った。