いつのまにか、かほは眠ってしまったようで

玄関が開く音で目を覚ました。



見ると窓の外は

もう明るくなりかけている。



思わずガバッと起きあがったかほに

よしきが申し訳なさそうな顔で近づいてた。



「…かほちゃん、ごめんね」

そして抱きしめてキスをした。



その時・・・・・





よしきの様子がおかしいことにかほは気付いてしまった。


後ろで束ねて行ったはずの髪がほどかれて、サラサラと揺れている。


そして微かに匂うシャンプーの香り・・・



「髪の毛結んでたのに、どうして?」

かほは体を離すと目を見開いて尋ねた。


「遅くなって、気持ち悪かったから、ツレんちで風呂入らせてもらった」


「ふ〜ん…」


気のない返事をすると

かほは何かを思い出したように、慌てて家から出ていった。


どこでお風呂に入ろうと

今が何時だろうと

帰ることで頭がいっぱいだったのだ。



《しまった!子供が起きてきちゃう!!》


《急いでその前に帰らなきゃ!》





それに気を取られ、深く追求もしずによしきの家を後にした。