次によしきに会った時、かほは落ち着かなかった。

タイミングを見計らってはいたが

なかなか切り出せない…。



「ねぇ…かほちゃん、僕に何か隠してることない?

僕は何を聞いても驚かないから

言って楽になるなら話してよ…」



ここまで言われたら

もう話すしかない。

もしこれで嫌われてもしかたない…


しかし先日こっそり聞いた

《子供がいても構わない》
と――

それを信じるしかなかった。



暫く沈黙が続く…

かほは唾をゴクリと飲み込んだ。


「ごめんなさい…
私ホントは子供いるの」


固まったように俯いているかほをよしきはそっと抱き寄せた。


「よく言ってくれたね…

そんなことで僕がかほを嫌いになると思ったの?」


かほはよしきの顔を見ることもできず

黙ったまま、コクリと頷いた。


「その年齢で子供がいないってのはむしろ不自然だし

子供を産み、育てるんだってわかったら

女としてすごく魅力的で尊敬する。惚れ直したよ…」



思いもかけない言葉を聞き

よしきの胸でかほは号泣していた。


私は愛されている。

私の全てを受け入れてくれる…



まさに幸せの絶頂であった。