それもそのはずである。
2歳や3歳、せめて5歳位だとしても
そんな小さな子を置いて
自由に出て来られるわけがない…
よしきも半信半疑だったようだ。
電話の相手にもそう言っていた。
「俺の見当違いかもしれないけどな…」
そして、そのあと
「彼女さぁ…全然俺のタイプじゃないんだよな。
まるで、弾丸のようでさぁ
今日もいきなりやってきて…
でもなんでか、好きなんだよなぁ〜」
かほはこの言葉を聞いた時、決心した。
《本当のことを言おう》
そのあとかほは
安心したのか
また知らぬ間に眠ってしまった。
そしてまた、空が白々としてくる頃…
そっとベッドから降り
よしきを起こさないよう黙って家を出た・・・・
五月の清々しい朝の空気に
かほの気持ちは穏やかで
《今度会ったら正直に話そう…》
そう考えながら大きく伸びをして
車へと向かった。