次によしきの口から出た言葉は…
「今日も彼女、旦那さんとモメていきなり俺んとこ来たんだ。
すごいヤケになって酒飲んじゃってさ…
でも俺は何にもしてやれないんだ。
ただ話しを聞いてやるしか…
俺の立場では軽はずみなこと言えないし
彼女が決めることだから…」
《私のこと、誰かに相談してるんだ…》
かほは更に身を固くし、息を呑んだ。
「彼女さぁ…俺に隠してることあると思うんだよな」
大きな音を立てていたかほの心臓は
今にも飛び出しそうになった。
《バレてるのかも…》
その後続く
よしきの言葉を聞くのが恐かった…
すべてお見通しかも…
嘘をつくのは下手だと思う。
顔にすぐ出るのでとてもわかりやすい…
よく友達に言われていた。
すると案の定
「子供がいると思うんだ…」
《バレてる…もう終わりだ!》
一気に眠気など吹き飛び
じんわりと滲んだ汗が背中を冷たくさせた。