ある日かほは電話で夫とまた口論になった。

同じことの繰り返しである。

かほの苛々は最高潮に達していた。

飲めないお酒を飲み

約束もしていないのに

突然よしきの家に押しかけて行った。


「ごめん…勝手に来ちゃった…」

頬を赤くし玄関先に立つかほを見てすぐに

お酒を飲んでいる事に気付いたのだろう。


「よく運転してこれたね、危ないなぁ〜・・・

何があった?」

戸惑いながらも、よしきはかほを家の中へと招き入れた。


《こんな話したってよしきは困るだけだ…》


そう思っても

次から次へと涙と共に

愚痴が口から飛び出してしまう。



そんなかほをなだめながらも

よしきはとことん話に付き合った。