『夜分にすみません。
はじめまして!アドをありがとう。
早速メールしちゃいました☆』
確かそんな内容だったように思う。
1月13日の夜遅くだった。
すると、すぐに返事が返ってきた。
そこからすべては始まった…
―佳奈子 37歳の冬―
何人かとメールをやりとりしている中で
よしきとのメールが一番楽しく
佳奈子はよしきからのメールを待ちわびるようになっていた。
大抵の男は容姿について尋ねてきたり
服装の趣味や髪形、趣味…
つまらない内容が多いかった。
そんな中、よしきだけは違っていた。
ささいな日常会話で話題も楽しい。
質問形式だったり、早く会いたがる男達にうんざりしていた佳奈子は
よしきとの何気ない会話が自然で、心地よく
メールとはいえ、まるでリアルタイムに話をしているかのようなテンポに
次第に引き付けられていった。

