絶対よしきに
「綺麗になったね」
と言ってもらいたい…
その日をずっと夢見てきた。
そのチャンスが訪れるとは…
佳奈子は有頂天になっていた。
祥子は最後に念を押すように言った。
「ごめん・・・・
よしきくんから、かなちゃんに番号教えないでって頼まれたんだ。
電話があったことも言わないで、って…
でもあたしはかなの味方だから
後で番号メールするけど
…すぐに連絡するのは止めてね」
「うん、わかったよ。
じゃあメール待ってるね。
てか、祥子ちゃんに電話して
あたしに筒ぬけになること位わかってるはずなのに…
変なこと言うよね」
そう言って電話を切った。
かほは、とうに読んでいた。
もし、本当にかほと関わりたくないのなら
祥子に電話をかけるはずがない。
今更カッコ悪くてかほに連絡など出来ない。
彼氏とその後どうなったかも気になっていただろう。
直接かほに掛けて
幸せだと告げられるのも
プライドが許さない。
当然かほに知られることを前提に
祥子に電話したに違いない。
かほはニマニマと
笑いが込み上げるのを押さえられなかった。

