Tears〜硝子細工の天使〜


祥子がそう表現したことは、責められない。

佳奈子の狡さから来たことだ。


「えっ?別れたって言っちゃったんだぁ〜!

ま、いいけどさ…それで・・・

そのことについて何か言ってた?」



「うぅん、そうですか、って言っただけ」



「そっか・・・」


そしていきなり、頼み込むように言った。



「ねぇ…番号教えてくれるよね?
後でメールして!お願い!」


すると、祥子はためらいがちに


「ん〜…教えるよ、勿論教えるけど・・・・

止めといた方がいいよ…」


散々佳奈子が苦しんだことを知っているだけに

賛成はできなかったのだろう。


佳奈子は食い下がる。


「またやり直すとか…そんなんじゃないの。

あたしももう苦しみたくはないからさ!

ただ一目会って痩せた姿見せたいんだ。

それだけでいいんだ…」


祥子の戸惑いが伝わり

佳奈子は僅かに冷静さを取り戻した。


やり直せるなんて贅沢は考えない。

ただ、何の為に頑張ってダイエットしたか…

いつかよしきに見せたい!

そのことだけを思い頑張って来たのだ。


《惜しかった》


そう思われたいが為に…





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