段々と、秀人を受け入れられなくなっていた。
不感症になったんじゃないだろうか…?
そんな不安さえ感じ、求められることを嫌悪した。
それでも強引に、自分だけ満足しては眠ってしまう。
佳奈子は人形のように、声ひとつ漏らさず、ただ横たわり、終わるのを待つだけだった。
秀人が
「それでは面白くないから、かなちも感じて」
と一生懸命愛撫をしても、全く反応しなくなっていた。
場所を変えて、ホテルに行ってみても同じことだった。
かろうじて、家では出せない声を出し演技をする。
だから、秀人が
「今日はホテルでラブラブしない?」
と言われても、佳奈子は
「お金が勿体ないから、嫌!
そのお金で美味しい物食べに行く方がいい」
といつも拒否していた。
ただ単に環境から楽しめないのか
それとも気持ちが薄れてきたからなのか・・・・
その当時の佳奈子には、SEXなど、どうでもいいことだった。
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