また、佳奈子は、遊びほうけている子供達に、そんな母の姿を見せることで
いくつになってもやる気さえあれば、いつでも勉強ができることを
頑張っている後姿から感じ取って欲しいと、願っていた。
まだまだ、薬は欠かせなかったが、目標ができ張り合いも生まれてきた。
時折、天候や体調、バイオリズムの変化や嫌なことがあると、症状が出ることがあったが
佳奈子は少しづつ自分を取り戻しつつあった。
まだしっかりと働けるほどには回復していなかったことと
一年半はお金が出ることもあり、のんびりと毎日を過ごした。
秀人とも穏やかで楽しく過ごし、幸せに包まれながら
今までの傷を癒すかのように、全身全霊で秀人に甘える毎日だった。
そして二度目の正月を迎える頃には
春になったら一緒に住もう、という話も秀人から口から出ていた。

