Tears〜硝子細工の天使〜


「…だから、今回のことは関係ないよ。

君には彼がいる。俺がいなくてももう大丈夫だろ?」


相変わらず横顔は冷たいまま…

よしきの意図が読めない……。



「もう、いいだろう?この辺で止めておこう」


かほは何も言えず、俯いたままよしきの言葉を聞いた。


しばらくして、かほは突然顔をあげ不安げに尋ねた。


「ねぇ、引っ越すって…どこ?

もしかしてあおいさんと一緒に住むの?!」


「まさか!!あおいにも君にも、新しい家は教える気はないよ。

もぅ…疲れたんだ。

とにかく一人になりたい……」


吐き捨てるようによしきは言う。

その表情は硬く、本当に疲れ果てているようだった。


よしきがよく

《一人になりたい…》

と、こぼしていたのをかほは思い出していた。