秀人に罪悪感を持ちながらも、ひそかによしきとの逢瀬を止められない…
それほどまでによしきに囚われているのは何故だろう?
かほは飽き性で、どちらかというと、余りモノにこだわらない。
執着するタイプではないはずだ。
それが、どうしてここまでよしきに執着するのか…
――もしかして…
認めたくはなかったが
もしかして・・・・
《からだ?》
正直そう思わないこともなかった。
確かに二人で築きあげた、楽しみ方があった。
お互いがもう、お互いでなければ満足できない…
それは二人共に認め合っていることだった。
でも、それだけではないはず…
それなら感情など邪魔で、無用で意味のないものでしかない。
会話など要らない、ただ身体を重ねるだけでいいではないか。
もちろん性生活は、カップルや夫婦にとって、重要な部分であり
離婚する夫婦の性格の不一致という理由の大半が
実はその殆どが性の不一致だと、本で読んだことがある。
かほはいつも自分の心に問い掛けていた。
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