Tears〜硝子細工の天使〜


秀人がしょっちゅう家に出入りしてる為

かほはなかなかよしきに会いには行けなかった。


例えあおいが一週間ほど泊まりに来ても

腹も立たないし、気にもならない。


かほは、やはり平等な立場の中で、お互いの時間の合う時に会える…

そんな関係になれたことに満足していた。



だが困ったことに、よしきには秀人の存在を明かしていなかった。



秀人が来る、という日に

「今日会えない?」

と言われることもままあった。



そんな時、どちらを優先させたかと言うと…





よしきの方を選んだ。


秀人とはいつでも会える。

嫌でもやって来る。



しかし、よしきとは、あおいの件がある為、チャンスがあればなるべく断りたくなかった。


かほはその度に秀人にあれこれと言い訳をし、よしきに会いに出掛けていた。



そんなある朝のこと―


よしきが平日休みになり、かほは前の晩から泊まりがけで来ていた。


その日二人はのんびりと起き、朝食はよしきが作り、かほが片付けをした。


幸せ気分でくつろいでいたその時…



かほの携帯が鳴った。





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