佳奈子は驚きの余り、突拍子のない声を張り上げた。


「あっ、あ、あぁ〜、あぁぁ〜〜」

続けて

「びっくりしたなぁ、もう…誰かと思った!どうしたの?突然」

と言った。


「だって、アイツが帰ったら連絡してって言ってたじゃん?だから掛けたんだよ」


――相変わらずだな…

全く見栄っ張りで素直じゃないんだから!


そう思いながら

「あぁ〜、ずっといたんだ?」

気のない返事をした。


「あぁ、長くなるよって言ってあったでしょ?
昨日やっと帰ったよ」



佳奈子の心は複雑だった。


なんで今頃……!?


しかも、少し時間がズレていたら、秀人の家に居たかもしれない。


いつもコンビニで買い物をする時は財布だけ持って入ることが多い。

なのに、今日は鞄ごと持っていた。



これらの偶然が全て一つの道に繋がるようになっていたとしたら・・・・・


よしきと《かほ》はまだ赤い糸で繋がれていたのかもしれない…





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