「えっ?来る来る!
まぢで?いいの?

超楽しかったしぃ〜もっと乗ってたかった〜!!」


佳奈子が答えるより先に、里沙がはしゃいでそう答えていた。


「でも…いいんですか?」

佳奈子は遠慮がちに聞いた。


「大丈夫ですよ!今日は体験だったから三人でしたけど

他にも愉快な仲間が沢山いて楽しいし…

それに、むさ苦しい親父ばかりだから、可愛い女の子が来たらみんな喜びますよ!!

それに、お兄ちゃんも今度は連れてきたら?」


秀人の提案に子供二人はキャーキャーと歓声を上げ

秀人と佳奈子はお互いの携帯番号を教え合った。



秀人は遠くから電車で乗り継いできた三人を

一本で帰れる沿線の駅まで送ってくれた。


「どうも、ご親切にありがとうございました。ホントに楽しかったです。」

佳奈子が礼を言うと

「来週楽しみにしてますね!また連絡します」

そう言って秀人は手を振りその場を去って行った。


車がカーブを曲がり、見えなくなるのを確認した佳奈子の心の奥に

穏やかなさざ波にも似た感情が芽生え始めていた……。





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