Tears〜硝子細工の天使〜


もう夏休みも終わろうとしていた。


その頃には随分と元気を取り戻し、外に出掛けることも楽しめるようになっていた。



ある時、里沙の友達の奈那が、おばあちゃんの住む港町で

ヨットの無料乗船会の催しがあるから、一緒に行こうと誘ってきた。



―申し込み順50名様―



佳奈子は海が好きだ。

潮風といい、波の音といい

季節外れの海はとかく人をロマンチストにさせる。



……ヨットクルージングかぁ・・・・


行ってみたいな…



奈那が早速申し込んでくれて、里沙と三人で行くことに決まった。




まさか、その日が運命の分かれ道になるとは

この時は全く予想だにしなかった。


ただ、のんびりヨットに乗り、海という大自然の中で、くつろぎの一時を過ごせればいい…


心地よい風に吹かれながら、ゆっくりと今後について考えてみよう……


それだけを楽しみにしていた。