拓也も里沙も揃い、彰と一緒になって
ピアスを開けるよう、佳奈子に迫ってくる。
《ピアスを開けると人生が変わる・・・・》
そんな言い伝えを聞いたことがある。
これ以上不幸になったらとんでもない。
福耳と言われる耳に穴など開けたらおしまいだ。
そんな言い伝えも含め、彼等に反論すると
「知ってる。でも私ピアス開けてもなーんも変わんないしっ!」
里沙が馬鹿にしたように言った。
そういえば、あるタレントが、ピアスを開けたとたんスカウトされ
あれよあれよという間にデビューしてた、と
雑誌のインタビューに答えていたのを思い出した。
佳奈子は迷った。
私もこの地獄のような毎日から抜け出せるかもしれない…
今が悪いんだから、ピアスの穴を開けたら、いい方向に向かうのかもしれない……!
単純極まりない佳奈子は、子供達にそそのかされるまま
その日、ピアスの穴を開けた。
どうか、これで不毛な愛に終止符を打ち
普通の恋愛ができますように…
いい出会いがありますように……
神に祈った。
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