かほはその足で、総合病院の精神科へと向かった。
病院は大変混雑しており、1時間半近く待たされ、やっと診察室に通された。
くまのぬいぐるみのような医師から、アンケートに答えるように言われ、記入する。
そして、そのアンケートを見ながら医師は質問をしてくる。
話し始めると、涙と共に苦しい胸の内
今の体調が次々口をついて出てきた。
話を聞き終えた医師は
「うつ病ですね。暫く仕事休んで下さい」
と言った。
「休むって…どの位ですか?」
不安そうに尋ねると
「まぁ…三ヶ月は休んだ方がいいでしょうね」
「三ヶ月?!無理です!
それでなくても、休みがちで目付けられてるんです。
クビになっちゃいます!!」
再びかほの目から涙が溢れ出る……
しかし医師は
「これがあれば、職場も認めざるを得ないんだから…
安心してゆっくり心を休めなさい」
そう言って診断書を書き始めた。
「あのぅ…すみません…
うちの園長先生は、古い方で、《うつ病》と書くとキチガイ扱いされそうなので……
他の病名にしてもらえませんか?
それと…期間はせめて一月で…」
かほが必死で懇願すると、医師は病名を《自律神経失調症》とし
一ヶ月の診断書を書いて手渡した。