そんな過酷な毎日の中でも

かほはメールで知り合った男と、気晴らしに会いに出掛けてみたりした。



――他をみつけよう…


安らぎが欲しい…



そう願ってはいたが、内心は期待などしていなかった。


メールを少しやり取りすればすぐわかる。


ただ、土曜の夜や日曜に、一人になりたくないだけだった。



もしかしたら、よしきの時のように

ビビビッと感じる人が現れるかもしれない……


その可能性を求め、とにかく必死で他の相手を探した。



だが、そんな偶然はそうそうやってこない。


若い頃は惚れっぽいとからかわれたかほも

よしきと出会って、よしきを知ってしまったら

もうよしき以外の男では満足できなくなっていた。



それはまるで、麻薬患者のように

《よしき》

という毒に侵されているようだった。



その毒は猛毒で、一度味わうと、気が狂うほどに

心を蝕んでいく・・・・・



かほは《よしき》という毒薬に魅せられて

それがないといられないほどまでに、よしきを愛してしまっていた。



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