決心が固まったかほは、ある日よしきに告げた。


「私このままでは耐えられない…

よしきがあおいさんと別れない以上、私も彼氏作るから。

そしたら会えない間、淋しい思いもしないし

思いつめて、よしきに当たることもなくなるし…」



よしきの顔色が鈍く変化したことに

一瞬優越感を感じる…



「僕はそれを止めてくれと言える立場じゃないから…

あおいのことも何年かかるかわからない。

君がそう思うならしかたないな…」



かほは抜け出したかった。

この地獄のような苦しみから…


それでもよしきを嫌いにはなれない。

離れられない……!

別れたくない!!


どうしてこんなにも好きになってしまったのだろう?


自分に何度問い掛けてはみても

感情に支配された心は、理屈で言い表せないものだった。


どれだけ傷ついても、よしきを想う気持ちは

悔しいほどに、なんら変わりはなかった。





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