――これじゃあまるで、既婚者と不倫をしているのと何ら変わりはないじゃない!?
かほは不倫に関する本をいくつも読んだ。
だが、そんな粋のいい、不倫を楽しめるような…
そんなできた女にはなれそうもなかった。
男の立場から書かれていた、ドキュメンタリータッチの
【不倫で苦しむ男たち】
という本も読んでみた。
そこには妻子がありながらも、真剣に一人の女性を愛し
真剣に恋をしている男達の姿が浮き彫りにされていた。
妊娠を機に男の前から姿を消し
一人でその男の子供を産んだ彼女を、今でも愛してるという話…
社内不倫が見つかり、会社も妻にも捨てられ
不倫相手の女にも去られてしまった孤独な男の話…
人の数だけ恋の形があるように
自分とよしきも、この形で続けていくしかないのだろうか…?
毎日自分の心に問い掛け、自問自答を繰り返す。
しかし結論は、やはり自分だけを愛し、自分だけを見てくれる人がいい…
それはかほに限らず
恋をする全ての女性は皆そう願っているはずだろう。
例え、時々よそ見をしようと、判らない所で浮気をしていようと
自分が常に1番でありたいと願う…
それが心情ではないかと思う。