三日間の楽しい時間は、あっという間に終わり

29日の晩…11時頃

よしきはかほの家を出ると、その足であおいのところへ向かった。



かほは満たされた気持ちに包まれていたのか

送り出すのに不思議と抵抗を感じなかった。


「いってらっしゃい、気をつけてね」

笑顔で見送るかほに

「なるべく早く帰るから。淋しい思いさせてごめんね」

と言うとよしきはおでこに軽くキスをした。


かほはよしきの車が見えなくなるまで、手を振った。



思い起こせば、去年は3日に帰ると言いながらも

7日まで帰ってこなかった・・・



だが、今はかほを優先し、早く帰ってくることを約束して出ていった。


それがかほの気持ちを柔らかく、温かくさせていた。



それからのよしきは、なるべくかほとの時間を作るよう気遣うようになり

また夢のような時間を過ごせるようになっていった。


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