しばらく胸の中でかほは泣いた。 「…車、乗っていい?」 「ん、寒いしな。行こう」 車に乗っても泣き続けるかほに、よしきは理由も聞かず黙っていた… その思いやりが余計胸を熱くさせ かほは自分からよしきの手を握った。 1時間位その状態が続いただろうか… 次第にかほも落ち着きを取り戻した。 「……ごめんね?」 かほが掠れた声でやっと言葉を発した。 「いや、もう気が済んだ?」 優しい言葉が返ってきた。