「これで、僕は一生子供を持つことはできない…って諦めたよ」

そう言うよしきに

「でも、帝王切開もあるからまだ大丈夫!

ってよしき言ってくれたじゃん?

私はよしきの子、産みたいって思ってたよ?

旦那との時は、まだ若くて

結婚したから、ただ赤ちゃんが欲しいって思っただけだったけど…

《この人の子供を産みたい!》

って思ったのはよしきだけなんだよ。

それに、今だって産みたいと思ってるよ?

例え自分が代わりに死んでも

よしきに親としての喜びを与えてあげたいと思ってるよ!」


涙で声を詰まらせながら

かほは思いのたけをぶつけた。


よしきはただ困ったような表情で

微かに笑みを浮かべているだけだった。





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